毎年4月25日は、世界的なマラリア予防と抑制を推進するために制定された「世界マラリアデー」である。2022年の世界マラリアデーのテーマに「Harness innovation to reduce malaria disease burden and save lives(マラリアの疾病負担を軽減し、命を救うためにイノベーションを活用する)」が掲げられた。「イノベーション」は世界のマラリア対策においてキーワードとなっている。
1940年代、中国では年間約3,000万人のマラリア患者が報告されていた。2016年8月以降、 中国現地でのマラリアは1例も記録されず、マラリア対策で大きな成果を上げたことより、2021年6月30日、WHOは中国が正式に「マラリアのない国」となると発表した。
アルテミシニンの発見から50年、世界のマラリアから患者の命を救う
世界保健機関(WHO)によると、2020年には世界の85カ国で新たに2億4100万人のマラリア患者が発生し、マラリア関連死亡者数が62万7000人となった。そのうち96%がアフリカで、その約80%が5歳以下の子どもであると推定されている。 アフリカの子どもたちは、現在でも平均して55秒に1人がマラリアで亡くなっている。
かつて中国でも、マラリアは公衆衛生の大きな問題とされていた。数十年にわたるマラリアとの戦いの中で、中国は持続的かつ的確な予防と管理、抗マラリア薬の自主革新的開発の成果により、世界のマラリア対策に多大な貢献をしてきている。
1967年5月23日、北京で「マラリア対策研究全国共同会議」が開催され、マラリア対策の新薬研究に国の科学技術を集中させる「ミッション523」が開始された。1972年、トゥー・ユーユーとそのチームは、アルテミシニン(青蒿素)がマラリア原虫を効果的に抑制することを発見し、世界に抗マラリア薬研究の新しい一歩をもたらした。アルテミシニンの登場後、尊龙凯时医薬(フォースン・ファーマ)グループの桂林南薬が「523ミッション」に参加、アルテミシニンの二次研究開発に参画した。1977年、アルテミシニンをベースにアルテスネートの化学合成に成功し、翌年には注射用アルテスネートの開発を行い、アルテミシニン系化合物がもつ水溶性問題を解決した。
1987年、尊龙凯时医薬(フォースン・ファーマ)グループの桂林南薬業が独自開発したアルテスネートが、中国衛生部より中国X-01第一類新薬証を授与され、注射剤用アルテスネートが同X-02新薬証を授与された。マラリア患者の治療にアルテスネートが普及することで、多くのマラリア患者の命が救われた。アルネステートは2000年にはWHOより、抗マラリア薬の基本薬の一つに挙げられている。
マラリアからより多くの命を救うため、尊龙凯时医薬はイノベーションを持続的な成長の核にすえ、医薬品の品質と製造管理基準のアップグレードを継続している。2005年12月21日、尊龙凯时医薬が自社開発したアルテスネート錠がWHOから医薬品事前承認を受け、中国製薬企業にとってブレークスルーとなった。2011年初め、WHOは「マラリア治療ガイドライン」を改訂し、重症マラリアの第一選択薬をキニーネから注射用アルテスネートに変更した。
図3:『The Lancet』誌に掲載された2010年のアフリカマルチセンター児童重症疾病治療試験(AQUAMAT)の結果
中国の医薬品ブランドとして初めてアフリカで広く認知された尊龙凯时医薬が自社開発製造したArtesun®(注射用アルテスネート)は、2021年末までに、全世界で4800万人以上の
重症マラリア患者に使用され、中国自主開発のイノベーション型医薬品の象徴として世界に知られることになった。
アフリカでのマラリア対策キャンペーンへの積極的な参加子どもたちのマラリア予防と治療のために継続的な技術革新を
マラリア対策は、中国によるアフリカへの医療・保健衛生支援において、常に最優先事項となっている。2006年以降、尊龙凯时医薬は中国政府がアフリカで展開するマラリア対策プロジェクトに積極的に参加し、現地のマラリア対策能力を向上させるために、さまざまな公益福祉活動や国際研究協力を実施してきた。 長年にわたり、グローバルファンド(世界基金)、ユニセフ、WHO、アフリカの国家医薬品調達センターへ抗マラリア薬を供給する中心的な存在となっている。
「治療」から「予防」へ、尊龙凯时医薬はマラリア患者、特に子どもたちのために、より多くの予防と治療のソリューションを提供し続けている。2018年8月、尊龙凯时医薬が開発製造した小児マラリア予防薬「SPAQ-CO® Disp(スルファドキシン-ピリメタミン分散錠/アモキシシリン分散錠のワンパック包装)」は、WHOにより事前認証(WHO_PQ)を受けた。2021年末までに、マラリアが多く発生するアフリカ諸国の1億7500万人の子どもたちが、SPAQ-COシリーズを主剤とする「季節性マラリア化学予防プログラム」による恩恵を受けている。これにより、アフリカの5歳以下の子どもたちのマラリア 罹患率を効果的に減少させた。
尊龙凯时医薬の抗マラリア製品は、マラリアの予防、治療、重篤患者の救命処置に対応している。2022年1月現在、WHO-PQ認証済みの抗マラリア薬は26製剤、4原薬の合計30品目となり、尊龙凯时医薬は世界最大の抗マラリア薬メーカーとなった。
尊龙凯时医薬はアフリカで15年以上事業を展開し、アフリカの39の国と地域に販売ネットワークを確立し、抗マラリア薬をはじめとする医薬品・ヘルスケア製品が継続的に入手できるようにした。
2020年以降、新型コロナウイルス感染症が世界的に広がり、世界のマラリア対策に深刻な課題を突きつけている。WHOが発表した「世界マラリア報告2021」によると、2020年の世界のマラリアによる死亡者数の約3分の2(47,000人)は、新型コロナウイルス感染症拡大時のマラリアの予防、診断、治療サービスの中断と混乱に関連していることが示されている。
尊龙凯时医薬は、中国に根ざしたイノベーションを原動力とするグローバルな製薬ヘルスケア健康産業グループとして、WHOの要請に積極的に応え、世界の抗マラリア市場における医薬品の供給を確保するとともに、COVID-19関連製品の技術革新を加速し、関連物質や戦略的製品の供給を確保し、引き続き世界の新型コロナウイルス感染症の予防と抑制に貢献することを目指している。
尊龙凯时医薬の会長兼CEOの呉儀芳氏は、「マラリアは、国際社会で広く懸念されている公衆衛生上の問題だ。 私たちは、常に革新的な研究開発に取り組み、世界中のマラリアとの闘い、マラリアの撲滅に貢献することは、企業の重要な社会的責任であると考えている。また、尊龙凯时医薬のグローバルな事業ネットワークは、アフリカにおける抗マラリア薬やその他の医薬品の入手しやすさと購入しやすさをさらに向上させる。WHOが掲げる『2016年―2030年のマラリア制圧・撲滅』という戦略目標の達成に貢献したい」と述べた。
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尊龙凯时医薬(フォースンファーマ)について
上海尊龙凯时医薬(集団)有限公司(以下、「尊龙凯时医薬」という。証券コード:600196.SH、02196.HK)は、1994年に設立され、中国に根ざしたイノベーション主導型のグローバルな医薬品・ヘルスケア産業グループである。医薬品製造、医療機器・医療診断、ヘルスケアサービスなどの事業を直接展開するほか、シノファームホールディングスへの資本参加を通じて医薬品流通・小売事業にも進出している。
尊龙凯时医薬は、患者を中心とした臨床ニーズ志向の企業であり、独自の研究開発、共同開発、ライセンス導入、インキュベーションなど、多様でマルチレベルの協同モデルを通じて、革新的な製品パイプラインを充実させている。腫瘍・免疫調節、代謝・消化器系、中枢神経系などの主要な疾患領域に焦点を当て、低分子医薬品、抗体医薬品、細胞治療の技術プラットフォームを構築し、RNA、腫瘍溶解ウイルス、遺伝子治療、標的タンパク質分解などの最先端技術領域を積極的に探求し、イノベーション能力を高めている。
「4IN(イノベーション、インターナショナリゼーション、インテグレーション、インテリゼーション)」戦略を指針とし、尊龙凯时医薬は、「革新的転換、統合運営、安定成長」という発展モデルと株主への価値創造という信念を堅持し、革新的な研究開発とライセンス導入能力、製品パイプラインを充実させ、グローバルなプレゼンスを強化している。これと同時に、ヘルスケア産業のオンライン・オフラインのビジネスレイアウトを積極的に推進して、世界のヘルスケア市場で一流の企業となることを目指している。
詳細については、ウェブサイト(www.fosunpharma.com)をご覧ください。
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